皆さんいかがお過ごしでしょうか。
10月12日(土曜日)に大和ハウス プレミストドーム人工芝コートで行われた、
視覚障がいを持つ選手たちのブラインドサッカー北日本リーグ2024in札幌を観戦しましたので、ご報告いたします。
まずブラインドサッカーのルールを簡単に説明します。
ピッチやゴールの大きさはフットサルとほぼ同じです。
5対5で試合をしますが、視覚情報のない4人のフィールドプレーヤーはアイマスクと衝突や危険防止のためヘッドギア着用します。
GKは健常者ですが、守備範囲は極端に狭く、ほとんど攻撃に参加できません。
両サイドのライン(タッチライン)上には高さ1mほどのフェンスが設置され、
選手たちは手を使ってその位置を感じ取って激しい衝突を避けています。
ボールはフットサル用ボールと同じですが、転がるとカシャカシャと音がします。
選手はその音でボールスピードや位置を読み取るだけでなく、なんとGKがスローイングした空中のボールも五感を駆使して認知しています。
そして選手たちが動くときはスペイン語で「行く」という意味だそうですが、
各自が「ボイ、ボイ」と声を出すことでお互いの位置を知らせ、激しい衝突を避けています。
ただボールが止まってしまうと選手は足だけでボールを探さなければならずプレー止まってしまいます。
健常者の監督はサイドラインの中央、そしてガイドと呼ばれるコーラ―が相手ゴールの裏にいて
ピッチを9分割した数字によって選手と味方選手のポジションやゴールまで距離を知らせますが、
なんと選手間同士が声を出してポジションの確認を行っています。
さらに転がってきたボールをピタッと止めるだけでなく、ボールを奪うと迷うことなく相手ゴール方向にドリブルで進みます。
インサイドを使ってボールが足に吸い付くようなドリブルで相手をかわし、
インステップキックで強烈なシュートを枠に飛ばすことにはとても驚かされます。
このように声が重要になるので、選手の声が響くだけの静かなゲーム展開もブラインドサッカーの特徴かと思います。
私は実際にブラインドサッカーを経験したことがありますが、
まず自分がどのように立っているのか平衡感覚に自信が無くなります。
そして進行方向が正しいのか、フェンスにぶつかるのではないか、
自分はゆっくりしていても相手がどの程度のスピードで衝突するのかと思うと、
ガードを固め全く身動きが取れなくなったことを思い出しました。
視界を持たずにプレーするブラインドサッカーの難しさを改めて思い起こされました。
現在、障がいの程度、子どもや高齢者などがスポーツを楽しめるようにルールや用具の方を適合させる
“アダプテッドスポーツ(adapted sports)”が進んでいます。
北海道チャレンジドサッカー連盟は老若男女、年齢や性別だけでなく
サッカー経験の有無を気にせず安心して気軽に参加できるウォーキングサッカーを広めています。
私もプレーしましたが結構汗をかいて楽しめました。
さらにプラスチックフレームで覆われた専用ドローンを相手ゴールに通し得点を競うドローンサッカーは
仲間との協力や戦術を駆使しなければならず、バリアフリーなスポーツとして発展の兆しを見せています。
このように北海道サッカー協会は、これからも様々なサッカーを通し、
社会的交流を深めていくことを目標としていきたいと考えております。
撮影:日比野航
撮影:日比野航