皆さん、いかがお過ごしでしょうか
2023年11月9日~11月18日にかけブラジル、サンパウロ州のサン・ジョゼ・ドス・カンポスで
「第5回ろう者フットサル世界選手権大会(デフフットサルワールドカップ2023)』が開催され、
女子日本代表が初優勝、男子日本代表が初の3位となる快挙を成し遂げました。
本当に素晴らしいですね。
代表チーム監督の藤井健太さんは「聴覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う共生社会を実現させることを、
我々の最大の目標としている」と述べています。
また、キャプテンの東海林直広選手は「耳の聞こえない選手が集まったチームを背負うことはそう簡単ではない」と語るように、
我々には想像が及ばないものでしょう。
私は、11月21日付の北海道新聞でこの記事を読んだときに「はっと」しました。
北海道出身の聴覚に障がいがある選手が国際大会で大活躍していること。
そして障がいを持ったサッカープレーヤーの現状について、あまり知らなかったことを気づかされたからです。
今回の大会には北海道出身者が4名選出されています。
東海林直広さん、最優秀GK(ゴレイロ)賞を受賞した折橋正紀さん、野寺風吹さん、川畑菜奈さんです。
折橋さんと川畑さんは、鷲津裕美さん(北海道サッカー協会副会長)が北海道高等ろう学校の教員としての勤めていた当時、
サッカー部でボールを蹴っていたそうです。
また、当時のサッカー部監督だった柴田和千代教諭は、試合環境が少ないろう学校児童・生徒のためにフェスティバルを開催したことで、
道内のろう学校の教員チームや卒業生OB・OGも道内外から参加していたということです。
障がい者サッカーは活躍の場が広がっています。
現JFAコーチであり美唄市立中央小教諭の尾形行亮さんが9月に「アンプティサッカー」の日本代表監督に就任し、
国際親善大会「AMP FUTBOL CUP 2023」で指揮を執りました。
代表監督の前任者は北海道教育大大学院から順天堂大学博士課程を修了した私の教え子の
前鼻啓史さん(一般社団法人日本障がい者サッカー連盟副会長、目白大学専任講師)は、
2022年同連盟の強化部長としてWAFF WORLD CUPの代表監督を務めました。
2代続けてアンプティサッカーの日本代表監督を北海道民が務めたことからも、
北海道には広く障がい者サッカーを理解する血が流れていることを認識できます。
とはいえ北海道サッカー協会の加盟団体には知的障がいを持った方々のチャレンジドサッカー連盟があるのみで、
他の障がい種とのつながりが濃くないことも事実です。
北海道サッカー協会は身近でボールを追いかけ・蹴るという環境をさらに広め、
男女を問わずキッズからシニア、そして障がい者から健常者まで、
楽しく自らを高めることに喜びを感じる世界を創造しインクルーシブ、ダイバーシティなどで説明される
“共生社会“の発展のためにさまざまな連携を手掛けていこうと考えております。
表彰後、左から野寺選手、川畑選手、東海林選手、折橋選手
出発前の様子