皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今年は7月の岩内町長杯からいくつかの第4種(小学生年代)の大会を視察できました。
どの大会でも子どもたちの技術はしっかりとし、指導者のコーチングの賜物と感心しております。
そしてそのチームには必ずと言っていいほど女子選手が含まれ、中心選手として活躍している子も少なくありません。
この年代は体力的に男女差が出てこないので女子選手も活躍出来る場面が多く見受けられます。
また、指導者とのパイプ役になって、チームを引っ張る選手も注目です。
キャプテンシーを発揮する子は技術がしっかりとして視野が広く、そして声を出せる子が多いようです。
まだ体は小さいけれど、これからうまくなりそうな選手を私なりの基準でみてみると、
まずは賢く、次のプレーや相手の動きなどを予測できる選手です。
良い判断には視野が広いことが絶対条件です。
どこに必要な情報があるのか見つけ出す力を伸ばし、その情報にアイデアを加えて、いかに発揮するか、
という視覚~認知~判断という回路を早くから獲得することを望みます。
首を振りながらドリブルをする選手を見つけるとこの選手の将来を想像してしまいますね。
気になる点があります。それは指導者の「考えろ」という声です。
私は”足し算“を学んでいない子に”掛け算“レベルを「考えろ」と言われてもうまく答えが得られない場面を見ています。
そして次に否定的な言葉をかけられたとき、次には考えることをやめてしまいます。
しっかりと基礎となる”足し算“の学習に時間をかけ、そして失敗が許される練習やゲームを通し、
瞬時の判断をどう活用するかという思考ルーティンを身につけさせることが重要と思っています。
指導者はこの時期に定型的なパスコースや動きによってチーム力を上げるのではなく、
サッカーの原則を理解し自らが判断できる
「目ざとく状況判断をし、そのアイデアの失敗を許し(認め)、恐れずに表現し続ける」選手を育成することが重要だと信じています。
もう一つの問題は体の大きな選手をどのように育てるかです。
この年代はゴールデンエイジと言われ神経系の発達が目覚ましい時ですから多くの刺激を与えることが必要です。
しかし、トップやセンターバックのポジションに置かれた大きな子どもは、
求められるプレーが限定されているよう感じることが時々あります。
キック力を生かしたミドルシュートは背の低いGKの頭上を越えて得点につながります。
しかし、DFやGKとの駆け引きを身につけなければ、その選手の5年後はどうなっているでしょうか。
小さな選手はテクニックとスキルを身につけ常に大きな選手との駆け引きを学んでいます。
大きな選手は体力を前面に出しテクニックやスキルを身につけないまま、数年後小さいがスキルフルな選手が、
遅れて体が大きく育った選手と競うことになります。
子どものころ体が大きかった選手が伸び悩むという原因はここにあると思っています。
ですから体の大きな子どもにポジションを固定しないというのはどうでしょうか。
私が指導した大学チームの選手には3つくらいのポジションを経験させていました。
もちろん部員が少なく仕方がなかった現状があったのですが、
故イビチャ・オシム氏が奨励していたポリバレント(複数のポジションをこなす)な能力は
大学生になっても獲得できることを実体験しています。
ゴールデンエイジの時期に異なる刺激を与えることは、驚くような変貌を見せてくれると思います。
子どもの指導は難しく責任があります。
見る、判断する、実践することをさまざまなポジションで試させること、
そして失敗を恐れない環境の中でのびのび育てることがテクニシャンではなく、スキルフルな選手育成につながると考えています。
指導者の皆さまには素晴らしいアイデアあると思いますので、さらなる工夫をお願いたします。
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